札幌の観光業は新型コロナウイルスの影響をもろにうけて散々な状況です。
政府の支援策「GoToトラベル」が始まると「夢の北海道旅行の実現をこの時に」とばかりに全国から訪れたありがたい人たちに一時は救われました。
しかし感染が拡大したことで「札幌市目的の旅行」がまさかの対象外になってしまったのです。
これは傷口に塩どころか唐辛子を刷り込まれるレベルの痛手になりました。
今の札幌市の観光業、その中でも成長しつつあった民泊の現状を知ってもらうために、民泊事業者「TAKE」にスポットを当てます。
民泊事業者「TAKE」の事例
「TAKE」は札幌を拠点に民泊事業を運営しています。
部屋数は150余りと少なくありませんでした。
それが感染拡大で売り上げは20%にまで減少してしまい30室を閉じることになってしまいました。
食事の宅配プランを開始
GoToトラベルへの期待値は「TAKE」にとっても大きなものでした。
前向きにキャンペーンを利用してお得なプランを提案して集客を狙いました。
地元のファミリー層向けの宅配サービスオプションです。
飲み物や料理を提供するのは札幌市内の飲食店で料金は6000円です。
プランの料金はGoToトラベルと札幌市の補助金の掛け算で通常14000円相当のところが3800円という低料金に抑えられました。
コスパの良さと気軽に外食に行けない中で罪悪感なく地元の料理が楽しめるこのプランは大当たりしました。
予約数は10月下旬に販売を開始するとあっという間に40件も集まりました。
「TAKE」の武山眞路会長は「年末にかけて期待をして、いよいよ決戦」という前向きな気持ちで再スタートというところでした。
札幌除外からの影響
ところが「GoToトラベルの札幌除外」で予約の半数がキャンセルされ、その後は一件も予約が入らないという最悪の結果を招きました。
武山眞路会長は「最後のとどめに近い」と暗く受け止めています。
「ここまで必死にこらえて頑張ってきて…」という思いがあったようです。
決して余裕があったわけではないのに、100万円をかけた宣伝費用は武山眞路会長の希望とともに消えてしまったようなものなのです。
札幌市の民泊の現状とこれから
感染拡大前の2月に札幌市内に登録されていた民泊の数は2320件でしたが、その後先月10日までに580件に減少しました。
4分の1にまで減ってしまったのです。
北海道民泊観光協会の南邦彦代表は年末年始もGoToトラベルの対象から札幌市が除外されることを危惧しています。
民泊事業者の廃業や営業停止の増加は止められない状態で、カップに4分の1になってしまったコーヒーは新型コロナウイルス感染拡大、GoToトラベルによる悪影響に飲みほされてしまうのでしょうか。
コーヒーカップを再び一杯に出来るよう、南邦彦代表は「これまではインバウンドを中心に運営してきたが、地域の人に活用してもらうなど今までとは違った形になってでも、少ない需要を取りこんでいくしかない」と今の気持ちを語っています。
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