小田急電鉄の鍵管理システム
これまでなかったサービスが登場した事で、別のサービスが求められる事があります。複数のサービスを組み合わせる事で、より完成度の高いものへと進化できるのです。小田急電鉄が新しく用意した鍵管理システムである『KEY STATION』もその一つだと言えます。
正確には、小田急電鉄がKeeylsが運営している『KEY STATION』を利用した格好です。『KEY STATION』は無人チェックインなので、全く人を介さずに利用者は鍵を受け取る事ができます。
ただし、小田急電鉄が通っている全ての駅に『KEY STATION』が設置されたわけではありません。現状、需要が大きい下北沢駅と町田駅だけに設置されました。
『KEY STATION』が求められたのは、民泊需要が拡大した影響です。通常の鍵の受け渡しでは、オーナーとゲストが関わる事によって、新たなリスクが生じます。しかし、無人チェックインを実現すれば、その危険が発生する事はありません。
小田急電鉄は、今回の試みを安心かつ安全に鍵の受け渡しを完了する事が目的、と明言しています。ちなみに、鍵の受け渡しサービスを駅が導入するのは、日本全国でも初めての事例です。
鍵管理システムの概要
2019年9月25日、下北沢駅は『KEY STATION』を導入しました。利用できる場所は、改札外コンコースとコインロッカー付近の二か所です。町田駅に関しては、10月中旬に導入開始予定ですが、設置場所は改札外コンコースと既に決定済みです。運営時間は始発から終電という点は共通しています。
『KEY STATION』は、本人確認システムである『KS check in』と鍵の受け渡し用のキーボックスが一体になっています。また、キーボックス等のデバイスと連携しており、鍵管理システムと本人確認システムもまとめられているのが特徴的です。
『KEY STATION』のサービスが始まったのは、2016年7月の事でした。鍵の貸し手と借り手の都合が合わないせいで生じる隙間を、ITとIoTの技術をフル活用して解決したのです。主な導入先は都内のコンビニエンスストアで、ニュースでも話題になりました。
旅館業法と住宅宿泊事業法に抵触しないようにするための宿泊施設のチェックイン機能を備えている事から、簡易宿所や民泊施設の利用を想定していた事がうかがえます。他にはマンスリーマンションや賃貸物件の内見、シェアオフィス、家事代行、カーシェア等、使い道は様々です。
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