京都市の民泊事業者の多くに違法の疑い

京都市の民泊事業者は違法の疑いがあるところが多い

京都市が民泊の実態を調査

京都市は、民泊需要の大きい日本有数の観光都市です。
そのため、民泊仲介サイトに登録されている宿泊設備や簡易宿泊所の数は、3000件以上に上ります。京都市は民泊新法の施行を機に実態調査を開始しました。調査対象となったのは京都市に存在している3330件の民泊・簡易宿泊所です。

ことの発端は役所への通報です。京都市を含む複数の自治体から通報を受けた観光庁は同庁が所有するリストと京都市が管理している民泊新法の届け出をチェックしました。
京都市が所有している届け出の数は47件です。そして、旅館業法上において問題がない簡易宿所2421件のデータも照合の際に用いています。

調査の結果

調査によって判明したのは京都市に存在する262件の民泊設備が明らかに違法であり、簡易宿所1436件に関しても違法の疑いが濃厚であることです。

まず、民泊新法の届け出47件と観光庁のリストの照合の結果、内容が完全に一致したのは21件でした。簡易宿所2421件と観光庁のリストのデータが共通していたのは1611件です。

また、観光庁のリストに記載されている民泊の届け出番号と簡易宿所の許可番号を調べたところ、住所上において存在しない宿泊設備も見つかっています。完全に適当な情報が記録されていたということです。それらの宿泊設備は、民泊が27件で簡易宿所が224件存在していました。虚偽の情報を通達していた設備に関しては、全て違法と認定しています。

違法だった27件の民泊設備の内訳は、Airbnbが15件でホームアウェイが15件です。Airbnbとホームアウェイは、どちらもアメリカに存在する民泊企業で民泊業界を牽引する立場でもあります。また、簡易宿泊に関しては、224件の全てがAirbnbに登録されていました。

今後の対応

前述した調査結果の発表は、7月25日に行われたものです。違法の疑いがある1436件に関しては、どれもリストの番号や住所、事業者名などが京都市の管理するリストの住所が異なっていました。逆に言えば、それさえ解消できれば正当性が主張できるということです。

そして、京都市は上記の結果を観光庁や民泊仲介サイトに報告しました。観光庁も通報対象に含まれているのは民泊仲介サイトを管轄する立場だからです。同時に違法の疑いがある宿泊設備の情報提供も求めています。

観光庁の指導が適切に行われれば、民泊仲介サイトはヤミ民泊と問題のある簡易宿所を削除します。観光庁と民泊仲介サイトの適切な活動を京都市が期待している格好です。

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