シンガポールに追い風
シンガポールにおいて、民泊解禁に関する動きがあります。それは2018年の五月末まで、政府の一般意見聴取ポータルサイト（リーチ）において、電子メールで民泊に関するメッセージを受け付けるというものです。
世界各国において民泊需要が高まっているのは周知の事実ですが、シンガポールは例外と考えられてきました。なぜなら、民間住宅を宿泊先として活用する場合、シンガポールでは原則的に最低宿泊期間が決まっているからです。
その期間は90日であり、長期のホームステイ等ならともかく、通常の短期旅行ではルールを守れないと考えられていました。URAからの許可を得られれば大丈夫、という裏技はあるものの、より多くの顧客を迎える民泊というスタイルでは、何度も許可を得なければなりません。以上の事情があるため、シンガポールは民泊の普及が進んでいませんでした。
ですが、民泊需要を見越して新たなルールを構築する方が、大きな経済的利益を得られる可能性があります。そこでシンガポール政府が国民に対して意見公募を行った格好です。
新たな基準について
シンガポールの国民に意見を求めていますが、政府側はある程度のルールを既に設けています。政府が考えたルールに対して、国民がどう思うか知りたいと考えているのです。具体的な基準については、宿泊設備やその所有者に求められることに関してです。
例えば、宿泊90日のルールを撤廃しても、無制限に旅行者を泊められるわけではありません。住宅一戸に対して、年間で90日しか泊められないからです。仮に、大人気の宿泊設備が登場しても、年間90日のルールを超えないようにコントロールする必要があります。
また、宿泊設備に止められる人数に関しても制約があります。政府が提示した条件では、1回の宿泊につき6人までです。
住宅所有者はいきなりAirbnbを利用できるわけではありません。その前に前述したURAに登録する必要があります。更に、宿泊者の記録の提出も、シンガポールのホストが行わなければなりません。そして、複数の住居者が存在している建物では、住人の8割以上の同意を得る必要もあります。
シンガポールでは色々と厳しいルールがあるように見えますが、実際のところ上記はたたき台です。意見公募によって、大きくルールが変更される可能性があります。例えば、住宅設備の広さが考慮され、宿泊可能人数の上限が変動する等です。
過去のトラブル
現行のシンガポールのルールでは、民泊を行うことは困難です。そして、実は過去に民泊のトラブルが発生しています。
2017年の12月に前述したルールに違反したことで、2人の男性が起訴されたのです。2人は刑期こそ免れたものの、それぞれに多額の罰金を課せられることになりました。その金額は6万シンガポールドルです。日本円に換算すると、およそ490万円となります。
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