Airbnbが公正取引委員会の要請を受けて掲載制限を解除

Airbnbが公正取引委員会の要請を受けて掲載制限を解除

掲載制限の撤廃

民泊事業を仲介するサイトを運営しているAirbnbが、公正取引委員会の命令を受けて、民泊代行事業者に課していた掲載制限を撤廃しました。2018年10月10日の出来事です。

民泊事業とは個人が所有する物件を他者に宿泊用途で貸し出す行為です。安価で泊まれる上にその国の文化の理解に繋がるため、人気が急上昇しています。

しかし、民泊用の物件を見知らぬ人に貸し出すのは大変です。一個人が民泊用の物件を貸し出すと宣言しても、利用希望者が中々現れません。

そこで、Airbnbの様な民泊仲介サイトが役立ちます。多数の民泊用物件を掲載しているため、宿泊を希望する多数の人が集まるからです。

民泊代行事業者とは、民泊用の物件を所有するオーナーに代わり、民泊事業を代行する存在です。民泊には多大な手間や時間やノウハウが必要ですが、民泊代行事業者に一任することで、その問題は解消します。

問題の発端

今回の出来事は、Airbnbが民泊代行事業者に対して、他の民泊仲介サイトにAPI接続を制限したのが発端でした。民泊事業で用いられているAPIは、民泊施設の予約状況や価格を通知する技術です。

民泊施設は需要によって宿泊料金や予約状況が変化します。それをいちいち伝えるのは大変なので、民泊代行事業者が情報入力をして、民泊仲介サイトが受け取る恰好になっているのです。

API接続が制限された場合、他の民泊仲介サイトに情報が届かなくなります。直接伝えて情報をサイト上に反映して貰うのは大きな手間です。

上記の状況は、Airbnb以外の全てが不利益を被る構図です。Airbnbのサイト上にしか最新情報が表示されなければ、他の民泊仲介サイトの顧客が遠のく恐れがあります。

また、民泊仲介サイトのホストは利便性に問題があると考えAirbnbだけを頼るようになる可能性があり、ゲストに関しても同様です。

だから、Airbnbの接続制限のやり方に問題があると、公正取引委員会が動くことになりました。

Airbnb等の動向

今回の問題の対象になったのは、一部の国のAirbnbです。具体的にはアイルランドと日本のAirbnbの行動が問題になりました。

Airbnbは、公正取引委員会の通知を受けて、直ぐに行動を起こしました。同委員会が審査中にも関わらず、速やかに措置を講じると申し出たのです。日本とアイルランドのAirbnbの手法に問題があると、Airbnb側が認めたのと同義だと言えます。

それを受けた公正取引委員会は、Airbnbの起こした行動は疑いを解消するものと認められると宣言し、審査の終了を発表しました。

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